札幌市中央区、大通りの美髪屋です。
最近ではヘアカラーをした事があるという方が多く、一度も染めた事がないという人の方が少ない時代になってきました。
若い世代の方は明るくしたり色味を楽しんだりとされていますが年齢を重ねるごとに増えていく『白髪』に悩まされている方も多くいらっしゃると思います。
そしてヘアカラーの頻度が上がる事によって『ジアミンアレルギー』という症状を発症してしまう方が現在増えてきています。
その背景には染めた回数が密接に関係していて、一般的に100回〜150回(諸説あります)程度毛染めをするとアレルギーになってしまうというデータもあるようです。
よくアレルギーをコップで例える事がありますが、人はそれぞれサイズの違うコップを持っていて、それがアレルギーに対する耐性と表現することがあります。
カラーをする度にどんどんと水を足していき満杯になったときにアレルギーを発症する。
花粉症なども同じ理屈ですね。
ジアミンアレルギーに一度なってしまうという完治はできません。
そして症状も様々で重度の場合は命の危険性もあります。
ではそのジアミンとは一体何なのでしょうか。
目次
そもそもジアミンとは何なのか
一般的にヘアカラーというとアルカリカラーの事を指し、美容室で行うカラーの多くがこのアルカリカラーと言われるカラーを使用しています。
このアルカリカラーの中には大きく分けて、アレルギーに関係性があるジアミン、髪の毛を明るくするため必要なアルカリ剤と過酸化水素が入っています。
それぞれの働きは、
ジアミン
パラフェニレンジアミンというと成分で、アレルギー成分、発がん性物質として知られる物質です。
このジアミンは酸化染料と言われ、髪の毛内部に浸透する際は分子量が小さい状態で浸透し、髪の毛内部で大きい粒に酸化と言われる化学変化を起こしシャンプーでは抜けにくい状態で留まってくれる事で色持ちが良くなる成分です。
染料として扱いやすく色持ちも良いため現在のアルカリカラー剤には配合されています。
良い点もあれば悪い点もある成分ですが、危険性があるという成分なのでしっかりとした知識で使用をしていく必要があります。
アルカリ剤
アンモニアやモノエタノールアミンと言われる物質で、髪の毛キューティクルを開きカラー剤成分が内部に浸透しやすい状態にしていきます。
また、過酸化水素水を分解し酸素を発生させる事によりメラニン色素の脱色や酸化染料が化学変化により発色します。
つまりアルカリ剤が入っていないと髪の毛は黒いままになってしまいます。
過酸化水素水
アルカリ剤に含まれるアンモニアによって分解されて酸素を発生させ、酸化染料の発色や脱色に関係しています。
アルカリ剤と過酸化水素水は髪の毛を明るくするに必要成分でどちらか欠けてしまうと髪の毛を明るくすることはできません。
日本の規定では濃度が6%までと決められていて、濃度が高いと脱色力とダメージが増え濃度が低いと脱色力とダメージが低くなるといった特徴があります。
かぶれるとしみるは違う
かぶれるとしみるを混同されている方も多いと思いますが実は全然違います。
かぶれるというのはヘアカラーでいうと、ジアミン等のアレルギー症状が出ている状態を指すことが多く一般的な毛染めが出来ない状態の場合です。
そしてしみる、ピリピリする、チクチク痛い等の症状が出る事をしみると表現しています。
アレルギー性の場合は当日すぐに症状が出る訳ではなくカラーしてから翌日〜数日後に発症する事が多く重度のアレルギーになってしまう方は皮膚がただれたり炎症を起こしたり、顔まで腫れたりといった症状が出る事があります。
しみる等の刺激はアレルギーではなく、薬剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素水などによるもので、カラーが頭皮に付いている時だけ刺激はありますがしっかりと洗い流してあげることで収まる場合が多いようです。
2〜3日痒みや刺激が残るという場合はもしかしたらシャンプー時に毛穴の汚れとして残ってしまい刺激があるということが多いのでしっかりと流してもらう、洗ってもらう事で解消できる事が多いので美容師さんに相談してみていいかもしれません。
カラー剤を塗る前に頭皮に保護クリームを付けてから施術をするお店もありますが、アルカリ剤や過酸化水素水はブロックできますがジアミンはこの保護クリームを通過してしまいます。
分子量と言われる粒のサイズがジアミンは過酸化水素水に比べて小さく、保護クリームに浸透してしまうため保護クリームをつけたので安心、とは言えないのです。
お客様はかぶれと刺激を混同して考えてしまうのはごく自然な事です。
しかし美容師側も混同しているところが多く、しみるからと言ってノンジアミンカラーなど勧めてしまったり、高額なカラーメニューを受けさせている場合がありますので注意が必要です。
もしいつもカラーをするときに頭皮に異変を感じている方は病院でジアミンによるアレルギーのパッチテスト行う事をオススメします。
ジアミン除去をするという美容室の真実
よく美容室で『当店はジアミン除去しています』とか『過酸化水素水を除去しています』だとかを伝え、ダメージが無くなるだとか、安全になるだとか無害化するような旨の事をいうお店があります。
このように言われるとこのお店は髪の毛に優しい施術を行っているんだなぁと思いますよね。
これは半分正解で半分間違っています。
というのも、ジアミン除去や過酸化水素水除去を行うタイミングが必ずと言っていいほどシャンプー時にする美容室が多いです。
というより全ての美容室と言ってもいいのではないでしょうか。
アレルギーの原因とされるジアミンや、髪の毛のダメージ原因のアルカリ剤や過酸化水素水を除去するのは100%ではないですが今の処理剤は性能が良いのでかなり割合で中和や除去してくれています。
なのでカラーリングの良くない成分を髪の毛内部に残さないというより点では良いと思います。
しかしそれを行うのがシャンプー時だということが問題です。
一般的におしゃれ染めで10分から20分、白髪染めだと20分から30分もの時間を置きます。
その時間はジアミンやアルカリ剤、過酸化水素水は中和や除去は全くされていません。
何故だかわかりますか?
ジアミンは染料、過酸化水素水やアルカリ剤は脱色に必要なので最初から除去してしまうと明るくもできず染まりもしないからです。
なので薬剤の作用が終わってから中和や除去する。美容師であれば当たり前に分かってる事ですがお客様は知りません。
従来のアルカリカラーと言われるカラー剤を使用している限りは髪の毛に塗る前は中和や除去はされていないんです。
お店によっては髪の毛に塗る前の薬剤に添加剤等を混ぜ込んでいるお店もあります。
美髪屋でもダメージ成分を抑える為の添加剤を使用してカラーをすることがありますが、ダメージ成分が薄まる事で多少軽減されますが完全にダメージ無くなる事はありません。そんな事をしたら染まりませんから。
ジアミンやアルカリ剤、過酸化水素水を除去しても髪の毛を染められるのはノンジアミンカラー、ヘアマニキュア、天然100%のヘナ、カラートリートメントのみです。
この事実はお客様ばかりではなく美容師も勘違いをしている場合が多く、髪の毛に塗布する前段階でジアミン等を除去して安全なカラーで染めていますなどと平気でお客様に伝えている美容室もあるようですが全くのデタラメです。
こんな言葉に騙されないようにお客様にはなって頂きたいですが、悩みを持っている方ほど信じやすいという事がありますのでしっかりとした知識を持っていかないといけないと僕は思います。
それでも染めたい
ジアミンアレルギーの方やカラーの度に頭皮の刺激がある方は是非ノンジアミンカラーをオススメします。
ジアミンが配合されているカラー使用した場合、ジアミンの濃度に関わらず地肌に付いてしまうとアレルギー反応が出ます。
さらには塗っている時は地肌に付かなかったとしてもシャンプー時には必ず付いてしまいますのでその程度でもアレルギー反応が出るという方もいらっしゃいます。
地肌に付いてもアレルギー反応の心配がほとんどないと言えるのはノンジアミンカラーだけなのでオススメする理由の一つです。
しかし現在のノンジアミンカラーにも欠点があります。
ノンジアミンカラーのデメリット
ノンジアミンカラーの最大のデメリットとして挙げられるのが暗くなりにくい薬剤が多いという点です。
他にも色味のバリエーションがそこまで多くなかったり色持ちが悪いといったデメリットがありました。
そしてジアミンは配合されていないものの、アルカリ剤と過酸化水素水が配合される事によって多少の脱色ができる事でしみたり刺激が出る方も少なからずいるので根元にペタペタと塗ってしまうと痛みを感じてしまう場合もあります。
このようにノンジアミンカラーにもジアミンが配合されていないメリットに加えデメリットもあるという事を忘れてはいけません。
工夫次第でノンジアミンカラーでも明るく
美髪屋では、ル・ポリサージュというノンジアミンカラーを使用しています。
このカラー剤は、『ジアミン、アルカリ剤、過酸化水素水』を使用していません。
ジアミンが入っていないことでアレルギー性の発症の心配はほぼありませんが、アルカリ剤と過酸化水素水が入っていない事によって黒い髪明るくする効果はありません。
白髪や茶色くなっている髪の毛は染まっていきますが、脱色効果がないので黒い髪は黒いままになります。
アレルギーが起こらないのであれば、白髪さえしっかり染まってくれればと思える方はいいのでしょうが、黒髪は重たい印象を与えたり茶色にしたいという悩みは無くなりません。
そこで美髪屋ではオリジナルの技法によって黒髪を明るくし、さらに白髪もしっかりと染めていくという手法でジアミンによるアレルギー症状に悩む方でも染められるカラーをしています。
今まで通りカラーを楽しんでほしいという気持ちで試行錯誤を重ねてようやく辿りついたノンジアミンカラーです。
ジアミンアレルギー症状は皆さんが考えている以上に危険がある症状です。
しかしアレルギー反応が出ずに一生を終えてしまう方がほとんどです。
しかしヘアカラーをこれからも長く楽しんでいくために、なにも問題のない今から少しずつ気にしていってみてはいかがでしょうか??
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